ハッピーリスト

何からはじめますか。

2027.2.5 Fri.

阿部寛 永瀬廉

TRAILER 予告映像

COMMENT コメント

HIROSHI ABE AS TARO EGAWA

阿部寛 江川太郎

太郎が病院で過ごした40年間という時間を僕自身が経験することはできないので、それを分かったつもりになって演じることはしたくありませんでした。むしろ、太郎が今、目の前にあるものをどう見て、どう感じるのかを大切にして、できるだけ素直に反応することを心がけました。太郎という人物を演じる中で、「もしあのとき誰か一人でも彼のことを理解してくれる人がいたら」と思わずにはいられませんでした。ただ、この作品は太郎の過去のつらさだけを描く物語ではありません。失ってしまった時間は取り戻せなくても、人はそこからもう一度、自分の人生を始めることができる。太郎が「ハッピーリスト」を一つずつやっていく姿を通して、そんなことを感じてもらえたらと思います。

永瀬君演じる岬は、最初は仕事として太郎と接しているけれど、ハッピーリストを一緒にたどるうちに、少しずつ太郎を知り、自分自身の感情も取り戻していく。その小さな変化を永瀬君がとても繊細に積み重ねてくれたので、二人の関係も自然に出来上がっていったと思います。40年間病院で生きてきた太郎と、社会の中で自分の生き方を見失っている岬。年齢も境遇もまったく違う二人が出会い、お互いに影響を与えながら少しずつ前を向いていく。その姿をぜひ見届けていただけたら嬉しいです。

PROFILE

1964年6月22日生まれ、神奈川県出身。1987年に俳優デビュー。『テルマエ・ロマエ』(12)で第36回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。第38回日本アカデミー賞では『ふしぎな岬の物語』(14)で優秀主演男優賞、『柘榴坂の仇討』(14)で優秀助演男優賞をダブル受賞し、『護られなかった者たちへ』(21)でも第45回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。2022年にはニューヨーク・アジアン映画祭でスター・アジア賞を日本人として初受賞。そのほかの主な出演作に映画『歩いても 歩いても』(08)、「VIVANT」(TBS/23・26)など。公開待機作に『見上げてごらん』(10月30日公開)、『SUKIYAKI 上を向いて歩こう』(12月25日公開)、 『腹をくくって』(27年公開)がある。

REN NAGASE AS KOHTA MISAKI

永瀬廉 岬幸太

台本を初めて読んだ際、世の中には太郎さんのような境遇の方が実際にいらっしゃることに驚き、その事実と向き合うことの難しさを感じました。

僕が演じる岬は、最初は与えられた仕事を淡々とこなすだけでしたが、太郎さんの優しい人柄に触れ、喜ぶ姿を見るうちに自分自身も少しずつ変化していきます。歩んできた人生が全く異なる二人が、理解し合い、寄り添おうとする姿をどう演じるか…太郎さん役の阿部さんは、台本の読み合わせの段階から「太郎にどう近づき、どう演じていくべきか」について深く話し合われていた真摯な姿が、とても印象に残っています。そのおかげで、僕も監督やプロデューサーの皆さんと話し合い、頭で計算して作るのではなく、2人の間で生まれる自然な空気感や、共に過ごす時間の中で変化していくことを意識して役作りに臨むことが出来ました。

自分と境遇が異なる人と接する際、人は無意識に相手を遠ざけてしまったり、関わることを難しく感じたりすることがあるような気がします。ですが一歩勇気を持って踏み出してみることで、心を通わせてお互いに成長していくこともある、とも思いたいです。太郎さんと岬が境遇の違いを超えて、互いに良い刺激を与え合い、理解し合っていくーその過程にある「温かさ」を、ぜひ感じていただけたら嬉しいです。

PROFILE

1999年1月23日生まれ、東京都出身。 2018年、King & Princeとして「シンデレラガール」でCDデビュー。 『弱虫ペダル』(20)で第44回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。そのほかの主な出演作にNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」(21)、「夕暮れに、手をつなぐ」(23/TBS)、「ラストマン—全盲の捜査官—」(23/TBS)、『法廷遊戯』(23)、「余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。」(24/Netflix)、『映画ラストマン –FIRST LOVE–』(25)、「リブート」(26/TBS)、『鬼の花嫁』(26)など。

BUNJI SOTOYAMA DIRECTOR/WRITER

外山文治 監督/脚本

日本には入院する必要がないのに何十年も病室で過ごす患者が数多くいる。東日本大震災をきっかけにその事実を知った私は、長期入院の後で新しい人生を力強く歩む主人公を描き、人間の可能性を示す物語を作ろうと思いました。それは、現代が多様性を謳いながらも、理解できないものは排除され、閉塞感が漂い、やり直すことが難しい社会だと感じるからです。だから今、人生の小さな希望となる「ハッピーリスト」が必要だと思いました。

本作は、阿部寛さん、永瀬廉さんという素晴らしいバディによって、エネルギーに満ちた作品になりました。台詞が少ない難役に向き合う阿部さんのひたむきな努力、現場で納得いくまで何度も挑戦する姿に感動しました。それに呼応する永瀬さんの眼差しの表現力と感性の鋭さに心打たれました。まだ誰も見たことのない二人の新しい魅力が生まれたと確信しています。

また本作は台湾との国際共同製作作品として、文化や言語の違う皆がチームになりました。一つの想いや目的のために手と手を取りあう喜び、理解し合えた時間は私の人生の宝物です。人間の生きる力と、そして一緒に支えあうことの大切さを、映画を通じて感じて頂けたら幸いです。

PROFILE

1980年9月25日生まれ、福岡県出身。短編映画『此の岸のこと』(10)が第9回モナコ国際映画祭にて短編部門最優秀作品賞をはじめ5冠を受領。長編監督デビュー作『燦燦-さんさん-』(13)はモントリオール世界映画祭に正式招待。『ソワレ』(20)は第25回釜山国際映画祭「A Window on Asian Cinema」部門に正式出品。『茶飲友達』(23)ではKINOTAYO現代日本映画祭グランプリ、第37回高崎映画祭最優秀監督賞を受賞。近年の監督作に『東京予報-映画監督外山文治短編作品集-』(25)など。